Angkor Tiger FCオーナー加藤との出会い、そしてスポンサーになった理由

 

愛知県を拠点に「制御盤」製作を手がける三笠製作所の石田繁樹社長。ビジネスとして縁もゆかりもないカンボジアで、なぜアンコールタイガーFCのスポンサーを担っているのだろうか。本人にインタビューした。

 

「スポンサーになることで、プロサッカークラブ経営の疑似体験ができる。自分でクラブを保有する方法もありだけど、人生には時間の限りがある。このスポンサーを通じてプロサッカークラブ経営を学び、自分の引き出しを増やす。そして近い将来、eスポーツの巨大ロボット産業をつくりたい。それに向けた学びの一つとしてスポンサーをしているんです。」

 

「加藤さんの側にいると昔の自分をみているようで応援したくなるし、忘れていた初心を思い出させてくれる。」

石田社長は、どうして加藤と出会ったのだろうか。

 

「ナイジェリアで加藤さんと仕事をしている友人から3年半前に紹介で、加藤さんとその友人と食事に行ったんです。その時に『カンボジア、ナイジェリアの事業って面白いの?』と加藤さんにダイレクトに聞いたら、『めちゃくちゃスリリングですよ。笑』って。それでカンボジアやナイジェリアでの事業にジョインすることになったんです。自身の本業をやりながら、一方でスポーツ事業を加藤さんから学べるなと期待したんですよ。それに単純どう考えたって面白いじゃないですか。カンボジアとナイジェリアですよ。」

 

そうして2017年シーズンから、石田社長の三笠製作所の、アンコールタイガーFCへのスポンサーは始まった。

 

具体的な内容としては、オーナーとGMのLINEメッセージへの参加権、ユニフォームスポンサー、ホームゲーム1試合をメインでサポートするスポンサーマッチデーの開催だ。石田社長は今までに計5回、カンボジア現地にも足を運んでいる。

 

あらゆるジャンルのスポーツで計10チームをスポンサーする理由

 

石田社長個人や三笠製作所がサポートするスポーツやチームは、アンコールタイガーFCだけではない。

 

2013年に初のサッカーチームとして名古屋グランパスのスポンサーとなり、モータースポーツではスーパーGTのTeam LeMans、またモータースポーツのドライバーの個人スポンサーともなった。千葉県リーグ1部のサッカーチームROVERS FC、スーパーバイクのTONE RT SYNCEDGE4413とバイクのオフロードのチームもサポートする。また東京パラリンピックを目指す義足のスプリンターのスポンサーなど。そしてeスポーツ実業団KYANOS(キュアノス)の運営、そのジャンルは多岐にわたる。

詳細はこちら(https://www.footballista.jp/column/61506

石田社長になぜスポンサーとなるのかを聞いてみた。

 

「スポンサーになることで、講義や学校を通してではなく、現場から学ぶことができる。それにいろんなジャンルのスポーツでスポンサーをしているのは、単純にスポンサーをして欲しいという人やチームに応えていたら、いつの間にかにいろんなジャンルに増えていったので。笑」

 

「いくつかのスポンサーになって後から分かったことだけど、それぞれのジャンルから、良い部分を学ぶことができる。そして本来は企業の経営トップとつながりを作るだけでも、ハードルがあるところ。それがスポンサーになることで、同じスポンサー仲間の企業の経営トップと握手できるかできないかの、商談テーブルに一気に乗ることができる。そこも当然、魅力ですね。」

 

ここまでジャンルが多岐にわたると、金額面を含めて、なかなか社内決裁が難しいのではないだろうか。この問いに石田社長はこう答える。

 

「実は、こうした魅力的なコンテンツが、三笠製作所の採用や福利厚生にも直結するのです。だからスポンサードはある意味、会社で採用経費の一部としてみています。広く弊社を周知して、かつ、何かに秀でている人材を採用するには、必要なことかも。」

 

これまでの苦労と、成功のために辿ってきた道

 

石田社長が経営する三笠製作所は、工場や会社などの施設で電気系統をコントロールする「制御盤」の製作を主軸とする。例えば、自動車の生産工場などは自動化や省略化が進み、自動車をロボットや機械が生産している。その様なロボットや機械を制御するための制御盤を設計製造しているのだ。

 

また、主力事業の一方で、世界初の自動無人運転の移動式交番を製造してアラブ首長国連邦のドバイ警察に納車したり、ホリエモンこと堀江貴文氏と共同で自動配送ロボット「Hakobot」も開発。また人が乗って操縦できる5メートル、5トンの巨大ロボット事業を展開したりと、製造業とエンターテインメントを掛け合わせた事業展開をしている。

順風満帆な人生を過ごしているように見える石田社長だが、実は、10年ほど前まではろくに飯も食えなかったと語る。

 

「父が電子屋をしていて、それを自分が28歳の頃に引き継いで電機屋(制御メーカー)に変えたのが三笠製作所の始まり。未だに電機屋が好きではないし、自分は向いていないと思う。だから専門的な部分はスタッフや専門家に任せて、その分、経営者としてのスキルを磨いていこうと決めたんです。」

 

愛知県にある三笠製作所は当時、全国に約3000社の競合相手がいた。ちょうどHPやブログが普及したばかりの時代だったので、石田社長は会社のあらゆる種類の制御盤に関する情報を、HPやブログで展開してみた。その中で一番ヒットし、問い合わせが多かったのが、「海外規格に特化した制御盤」のルール紹介サイトだった。

 

そこから石田社長は、制御盤の海外規格においてNo.1を獲ると決めた。そして海外でのネットワークやアライアンス構築のため、各地にアンテナを張る。すると、ドイツのニュルンベルグの電器メーカーからアライアンスの声がかかった。かつて石田社長は、全日本選手権にも出場するスノーボーダ―としてオーストリアに滞在していた経験があり、ヨーロッパには縁があったのだ。

 

当時33歳だった石田社長は、こう振り返る。

 

「28歳から32歳くらいまで、創業期の大変な時間を過ごしました。そして33歳で、昔縁のあったヨーロッパの地ニュルンベルクまで航空券を準備してもらい招かれた。到着したニュルンベルク空港に、BMW7シリーズで出迎えてもらった光景は今も忘れられない。招待される形で、ここに戻って来たんだって。」

 

それから紆余曲折を経て話は進んだ。数年の間に、ドイツ、アメリカ、イタリア、タイ、シンガポールにも進出。もろもろ落ち着いたタイミングで、初めの名古屋グランパスへのスポンサーが始まったという。

 

三笠製作所の今後のビジョン

 

最後に、三笠製作所のこれからのビジョンについて聞いてみた。

 

「主語が自分にある仲間をもっともっと集めて、現在のメインである制御盤を中心に新しい可能性を追求していきたい。そして近い将来、『製造業×スポーツ』を組み合わせた巨大ロボットのeスポーツ産業を創りたい。」

 

「三笠製作所では、eスポーツチームの『キュアノス』を立ち上げて、ウイニングイレブンのプロ選手を2名抱えています。運動の苦手な人や身体が不自由な人でも、同一ルールで等しく競技できるのがeスポーツの魅力。このチームはいまサッカーの国際審判の資格を持ったアドバイザーもいて、レフェリーの視点で相違点をフィードバックしてもらっている。今後のビジョンを語る上でも、仲間が必要で、こういったスポーツに関する仕事につきたい自分に主語がある仲間をもっと増やしていきたい」と語った。

 

おそらく三笠製作所の福利厚生は、スポーツやロボット好きの社員にはたまらない日本で一番の内容である。

 

名古屋グランパスの試合観戦、ヨーロッパ5大リーグのサッカー観戦、カンボジアリーグ、ナイジェリアリーグのサッカー観戦、スーパーGT、全日本スーパーフォーミュラの観戦など、詳細は下記をご覧頂きたい。

 

https://www.mikasa-med.co.jp/saiyou/

 

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株式会社 三笠製作所 ホームページ

https://www.mikasa-med.co.jp/summary.html

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