1か月ぶりです。アンコールタイガーFCインターンの坂本秀です。

3月はシェムリアップ州外に出張してアカデミートライアウトを実施&練習の質を向上することに重点を置いて活動してきました。

大変だったことが沢山あり、一瞬で1か月が過ぎた感覚です。もう四月になってしまった事に焦りつつ、3月の振り返りを始めていきます。

気軽に読んでください!

 

州外でのU15の選手のスカウティング

 3月はバッタンバン・プレアビヒア・バンティミエンチェイ・ウドンミエンチェイの4つの地域に行き、アンコールタイガーU15に新しく入れる選手のスカウティングを行いました。カンボジア人スタッフ2名と運転手と僕で朝5:30にシェムリアップを出発する生活はなかなかしんどかったです。

初めて、州外に行って現地の選手を見る機会だったので、育成年代におけるカンボジアサッカーのレベル感が分かると思い非常に楽しみにしていました。

対象は主に2009年・2010年生まれの選手をセレクションしましたが、2011年や2012年生まれの選手も何人か来てくれてました。

日本の中学生年代のサッカー界は、部活でやる人とクラブチームでやる人の二極化でクラブチームでやっていた人の方がレベルが高いイメージがありました。今回の対象は他のサッカークラブチームに入っている子供達なので、自分は州外にスカウティングに行く前はそれなりにレベルの高い選手が沢山いるものだと考えていました。

しかし、実際に行ってみるとどの地域の選手も全員レベルが高い訳ではなく、中にはサッカースパイクを履いていない子供もいました。上手な選手は全体の5パーセントくらい、止める蹴るがしっかりできる選手が20%くらい、残りはサッカー初心者と同じようなレベルの選手での構成でした。

本当に上手な選手は両足でボールを扱えてフィジカル面もあって周りが見れる選手がいましたが、そのような選手は本当に稀で1名しかいませんでした。

他の選手はサッカーを真剣にできる環境などが少ないのか、動き方などぎこちない選手ばかりでカンボジアサッカーの現実を目の当たりにしました。教育カリキュラムの中に体育がないことや、本格的にサッカーを教わるのは中学生以降であったり、まだまだ環境不足なんだなと痛感しました。日本の育成年代に追いつくにはまだまだ時間がかかると思います。

州外に出たことでタイガーU15のレベル感も理解することが出来たし、カンボジアサッカーのリアルも見れたのでものすごく貴重な経験になりました。カンボジアは国民あたりのサッカー人口は非常に高い割合なので、これからにすごく期待できると思います。

 

 

練習を次のステップに進めるために

 3月に力を入れた事は、チームを次の段階に進化させることです。これまでは比較的練習のための練習を行ってきました。基礎技術を徹底して教え込むことや、パスをした後に足を止めない事などを徹底して教えてきたつもりです。

まだまだ発展途上ですが、ある程度形になってきたのでもっと複雑な事にチャレンジすることにしました。

周りを見ることを怠るとすぐにボールロストしてしまうトレーニングや、数的優位を作るトレーニングなど頭を使いながら動くことが求められるトレーニングを3月はやりました。

でもまた、壁にぶち当たりました。

自分では難しいトレーニングをしているつもりはないのに、初めてするトレーニングという事もあり、子供たちはいまいち練習の意図を理解してくれない事や、自分の意図とは違うトレーニングになってしまったりしました。

翻訳して、具体的な指示をサポートスタッフに頼みたかったのですが、宗教上の理由(ラマダン期間中)で練習に帯同できない期間ともろ被りしてしまい練習中に修正することが出来ませんでした。

 

このような事があったので練習のメニューをもっと簡単にしようなどといった逃げの思考が自分の中に出てきてしまいました。自分が教えやすいように楽な道を行こうと何度も考えました。

でも途中で、自分はカンボジアサッカーの成長のために出来ることをやろうと決めて去年の10月にシェムリアップに来たのに、6か月経った今、その志を忘れて自分の楽な道を行こうとしているダサすぎる事実に気づきました。「日本人は自分だけだから」「誰も今の自分の指導している姿を見てないから」などと言い訳を作り、さらには「自分の意図を明確に伝えきれなかった事を他人のせいにする」といっためちゃくちゃダサい人間になりそうでした。

 

確かに言い訳しようと思えば、いくらでも言い訳出来ますが僕は子供たちに「言い訳するな・ミスに向き合え」と教えています。そんな人間が言い訳を作って楽な道に逃げる事をしていたら、ブーメランが刺さりすぎてマジで見てられません。そんな大人にだけはなりたくないので、これからも気を付けようと思いました。

 

ちなみに、現在の改善策は絵を描いて伝える事です。戦術ボードに練習のトピックとやり方を書いたりして、選手が何をすればよいのか分からなかったときにその都度その都度図や絵を書いて伝えてます。それでも伝わらなければ、実際に自分が手本を見せて選手に理解してもらいます。

僕は脳筋パワータイプのポケモンなのでそれ以外の方法が見つかりませんでしたが、今のところはそれでぼちぼちうまくいってる気がしています。

 

内容の進化

3月は広いスペースを見る(団子サッカーをしない)に重きを置いて指導しました。その中で、攻守の切り替えの遅さやDF時のポジションがバラバラなどといった問題も出てきたので、その都度練習メニューを変えて指導しました。

実際にどれくらい成長したかを測りたくて、月末にU19のBチームと練習を行いました。結果としては大敗しましたが、1本目と2本目はフルメンバーで行き、その時のスコアは0-1でした。失点は相手のロングシュートがたまたま入ってしまったアンラッキーな形でしたが、それ以外の部分では、意図的にボールを持つことが出来たり、シンプルにプレーしてチャンスを作ったりすることが出来ていました。

手ごたえとしては、今まで教えてきたことがしっかりと反映できていたと感じた反面、やってこなかった事(後ろからのビルドアップ・試合終了まで走りきる体力・プレスのかけ方)の問題が顕著に現れました。正直全部を4月でやるのは厳しいので、優先順位を考えて取り組んでいきたいと思います。

 

また、非常にうれしいことにカンボジアのプロクラブのアカデミーチームが参加するユースリーグが開催されることになりました!開始時期は4月末とのことなので、非常に楽しみです。自分としてもそこの勝利に向けて活動できることがうれしいし、子供達も公式戦を戦う機会が出来て幸せだと思います。

アンコールタイガーのアカデミーの子供たちに少しでもいい思いをさしてあげれるように、4月もめっちゃ頑張ります!

 

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