ついに「勝負の8月」を迎えた。前節バティアカデミーをホームに迎え8-3で勝利したタイガー。今節はアウェーでビサカFCと対戦する。今回は整ったルックスと一際目立つ高身長を兼ね備えるDF、ピセイ選手のインタビューとともにビサカ戦をプレビューする。

 

快勝、残ったのは「悔しさ」

前半は圧倒するも…

大量得点の機会を逃した最下位コンポンチャムとの対戦、あと少しのところで勝ち星を逃したボンケット戦。勝ち点は積み重ねつつあるが、どこかすっきりしないものを感じさせる試合が続く。今回のバティ戦でも前半は6-0と圧倒したが、気持ちを切らさず粘るバティの反撃によって後半は2-3で試合を終えた。

スタメンで出場したピセイ選手。本職のSBをこなす傍ら、がらりと変わったCB陣のサポートにも奔走した。

 

バティ戦は8-3で勝利しましたが、後半のスコアは2-3でした。試合を振り返ってください。

「難しいゲームだったね。」

「僕にとっては少しタフなゲームだったよ。普段はCBじゃない選手がCBとしてプレーしていて、そのフォローをしなくちゃいけなかったからね。」バティ戦ではイエローカードの累積による出場停止を避けるため一部のスタメンを変えて臨んだが、その影響が後半の失点に繋がったようだ。「普段とは違うメンバーだったから、コミュニケーションも連携も上手くとれなかったね。」と3失点を振り返った。

17節終了時点でのランキング。今節対戦するビサカには得失点差でわずかに上回っており、ピセイ選手の言うとおり今後の優勝争いを左右する数字だ。

 

攻撃面では8得点と大量得点。ピセイ選手も「攻撃に関しては大きな問題はないかな。」としつつも、「でも、8点以上は取るべき試合だったよ。僕たちと得失点差が近いチームもあるから。」と攻撃面でも課題があることを指摘。勝ち点3を積み上げたが決して満足はしていない。

 

 

「勝負の8月」、到来

強豪相手にダブルなるか

リーグ初制覇を目指すタイガーにとって、8月はビッグマッチが集中している1ヶ月だ。今節は4位ビサカと、その後は1位スヴァイリエンと2位ナガワールドをホームで迎え撃つ。まさしく強敵揃いだが、優勝戦線で生き残るためには超えなければならない壁だ。

昨シーズンはまさに「歯が立たない」存在だったが、今シーズンはホームで2-0で勝利。今節も勝ってダブル(ホームとアウェーどちらも勝つこと)を達成したい。

 

―ビサカFCの印象を教えてください。

「強豪の一角であることは間違いないね。」

たとえ大金星を挙げた相手であっても、油断を見せないピセイ選手。「ティモシーが累積で出られないから、タフな試合になるだろうね。」と予測。今季20ゴール以上を決めるエースを欠く中でどのようなサッカーでビサカに挑むのか、1つの大きなキーポイントだろう。また「ビサカのキープレーヤーは外国人FWだね」と脅威となる選手をしっかり把握。ピセイ選手をはじめとするタイガーの守備陣の活躍にも注目だ。

 

 

逆境から這い上がる「強さ」

試練を乗り越え、フィールドに立つ

身長は180cmと他のカンボジア人選手と比べると一際目立つピセイ選手。整ったルックスを持ち普段は大人しい印象を受ける。しかし今シーズンの序盤、ピセイ選手は試練に立ち向かっていた。それは全治数ヶ月の大けがだ。

 

―大けがで前半戦は4試合にわたりプレーすることが出来ませんでした。

「仲間が戦っているのをただ観ているだけ。悔しかった。」

「治療している時間はストレスでしかなかったよ。」と怪我で欠場していた日々を振り返ったピセイ選手。当初は全治4ヶ月と診断されたが、ピセイ選手はオリオル監督の下へ行き、「トレーニングに参加させてほしいと」直談判。アシスタントコーチを同伴させるという条件付きで許可をもらい、実戦復帰へむけてトレーニングに励んだ。

怪我から復帰して以降は殆どの試合でスタメンを勝ち取っており、不動の大型SBとして活躍中だ。

 

そして迎えたホームのキリボン戦で途中出場し、ついにフィールドに帰還。当初の診断よりも大幅に早いカムバックを果たしたのだ。「復帰戦のことはしっかり覚えているよ。サポーターがWELCOME BACK PISEYって書かれたシートを皆で掲げてくれたんだ。今までそんな光景見たことなかったし…最高の気分だったよ。」とサポーターからの温かい歓迎が心に残っているようだった。

得意なプレーは高身長を活かした空中戦。目標とする選手はレアルマドリードのSBマルセロ。ピセイ選手がプロ選手になった際にSBでプレーすると決めた背景にはマルセロの影響が大きかったという。

 

―8月が始まりました。今後のリーグ戦を左右する試合が続きます。

「ビサカも、スヴァイリエンも、ナガもみんな強いけれど…

「でも大切なのはコンディションを整えること。ベストな状態で試合に臨まないとね。」と語ってくれたピセイ選手。確かに大一番に浮き足立つことなく、万全の状態で臨むことが一番重要だ。普段は大人しいが大けがという逆境に立ち向かい、這い上がる強さももつ―

彼がいれば「勝負の8月」も生き残れるだろう。

 

 

ビサカ戦は8月3日(土)ビサカスタジアムで18:00(日本時間20:00)キックオフです!ネットでのライブ配信(こちらから!)もあります!タイガーの詳しい情報はTwitter,Facebookをチェック!

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