みなさんこんにちは!アンコールタイガーFCインターン生の坂本秀です。今月のサムネイルは、僕を見つけたらその瞬間にでかい声で「スーー!!」と言ってくるジュリオ(GKコーチ)と撮ったものです。元気があるときや機嫌がいいときにいつも必ず言ってくるので、逆に元気がない日(朝が早いときなど)はすぐわかります。

 

僕がカンボジアに来てからもう3か月もたってしまいました。体感的にはこの前インターン始めたばっかりなのに、もう少しでインターン生活半分過ぎてしまいます。時間たつん早すぎて焦りまくってます。

ちなみに、2024年の年始は宮城監督Familyとそのお友達御一行に誘っていただき、待望の人生初Angkor Watに行き初日の出を鑑賞。圧倒的な景色とスケールにものすごく感動し、幸先の良すぎるスタートを切れました。マジで人間なら死ぬまでに1回以上は見ておくべきです。

 

1月はついにアカデミーチームのセレクションが開催され、U15チームが本格的に始動しました。そのことについて詳しく説明していきたいと思います!

アカデミーセレクション

 12月にアカデミーの再編成が決定してから、一か月でアカデミーのルール作りやセレクション方式などを準備し、1月16日~21日までセレクションを開催しました。自分で1から準備して、現地のスタッフの話を聞いたりアドバイスをもらいながら開催したセレクションでしたが、正直言うと最初はものすごく不安でした。

 

これまで自分は、中学のクラブチームに入るときのセレクション・行きたい高校・大学の受験をするとき・バイトの面接など選ばれる側の人間でしたが、この時初めて選ぶ側の人間になりました。

ある程度サッカーの事については理解しているつもりですが、それはあくまでプレーヤーとしての理解であって、指導者側の理解であったり、サッカーチームはどのように組織されているのかなどの理解の部分についてはほぼ皆無です。そんな中で、異国の地でサッカーコーチをするという事を考えていたら正直すごくビビッてました。

 

まず、セレクション準備の段階で色々と驚くことがありましたが、その中で一番のものが「カンボジアの子供は平気で年齢詐称をする」という事です。これは日本ではまずあまり聞かない事ですが、カンボジアでは毎回のセレクションで年齢詐称が発覚するとのことでした。

個人の出生を証明する書類が手書きで改ざんが出来たりするので、生年月日を偽ったり(自分の年齢を実年齢より若く表記)してセレクションに来る子供がいます。

また、年齢制限のある試合に参加する際も年齢詐称など普通にあるそうです。実際にあった事例でいうと、昨年度行われたU-15の全国大会でGKとして出場していたプノンペンのチームの選手が、今年度20歳としてカンボジア2部リーグに普通に出場しています。本当は16歳なのか20歳なのかわかりませんが、こういうことが実際に発生するそうです。

初めてこの話を聞いた時は、ぶっ飛んだ話だと思って笑ってしまいましたが、自分はセレクションをする側の人間なのでこれに対処する必要がありました。

また、複数チームに所属してる事を隠しながらセレクションに来る子供がいたり、親に無許可で勝手にアカデミーセレクションに来る子供がいることなど知りました。そして、一次セレクションに受かってないのになぜか2次セレクションに来る子などもいると聞いて、もう自由すぎて逆にすごいなと思ってしまいました。

 

対策とセレクション当日の様子

 

 

年齢詐称の対策として、生年月日が分かる書類を複数枚準備させる事(ワクチン接種カード・ファミリーブック・出生証明書)を義務付けました。また、2次セレクションから勝手に来たりする子供達がいないようにするため、何度もセレクションを受けに来る子を見分けるために、顔写真の提出を義務付けました。

少し子供たちにとって面倒な事ですが、親の助けを借りることで親の許可なしで来ることを防いだり、年齢詐称出来るそもそものチャンスを無くしました。

このようなルールにして、現地のスタッフにFacebookに掲載する旨のポスターを作成してもらいセレクションを実施しました。1月16日18日20日は一次セレクションでU-15は総勢150人以上来ました。U-18と合わせると総勢300人以上来たと思います。

一次セレクション合格した人のみ21日の2次セレクションに進み、最終的に36人選出しました。少し人数が多いのでは?と思う人がいるかもしれませんが、セレクションに合格したことに満足して練習に来ない子が毎年10人以上いるとのことなので、それを見越してこの人数を選択しました。

明らかにサッカーが上手な子もいれば、今はそこまで上手じゃないけどガッツのある子も今のチームにいます。自分が全権を持って選んだ子供達なので、責任をもって育て上げます。5年後のタイガー戦士を育成しているという自覚をもって毎日のトレーニングに励もうと思います!

自分のチームがついに本格始動

 

仲良くしているU18の選手の子たちがセレクションお疲れ様!って言ってくれている写真です。この時はセレクションが無事に終わってほっとしていましたが、次の練習から結構しんどいサッカーコーチの業務が始まりました。

1月23日からトレーニングが始まり、毎週火曜・水曜・金曜・土曜・日曜とコーチをしていますが現在は大絶賛壁にぶち当たり中です。

U18の選手は何名か英語が分かる選手がいたので楽しく指導をする事が出来ていましたが、U15の選手は英語分かる子が1人しかいなくて、その子は練習に来たり来なかったり。アシスタントコーチの立ち位置でカンボジア人スタッフが1名いますがその人はやる気があまり感じられず、練習中の通訳すらしてくれないときがあります。そもそも僕がどんな練習をしているのか見ていない事がほとんどです。

初日のトレーニング時にこの現状に気づきめちゃくちゃ孤独で泣きそうでしたが、基本的に僕はドMなのでこの状況を楽しんでます。子供たちが英語が分からないなら、自分がクメール語で指示を出せればいいだけの話だし、それでも理解してくれないならもっとわかりやすい練習メニューを準備すればいいだけの話だと思ってます。

脳筋の思考ですがとりあえず自分で出来るところまで最大限やってみて、それでもだめなら別の解決案を考えてみようと思います。

郷に入らば郷に従って、これから子供たちを成長させられるような人間になれるように頑張っていきたいと思います!

 

まだまだコーチは始まったばっかりなので、また来月の体験記でチームの内情はどのようなものなのかを皆さんにお伝えできたらいいなと思います!

最後まで読んでいただきありがとうございました!来月号楽しみにしててください!

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