みなさんこんにちは!アンコールタイガーFC長期インターンの坂本秀です。

2月の振り返りをやっていきたいと思います。今月は主にアカデミーの子供達の事について話していきたいと思っています!

日本の子供達との比較もできたらいいなと思っているので、気軽に読んでほしいです!

監督になってから1か月半・・・

僕がセレクションをしてチームが始動してから約1か月半がたちました。コーンとボールの備品を新しく揃え、練習時間も選手が一人でも多く来れる時間帯に変更。最初は選手の名前と顔を一致させることから始まり、次に一人一人のストロングポイントとウィークポイントを理解することから始めようと、最初の2週間頑張りました。

少し慣れてきてから、チームとして課題が何があるのかを知るために練習試合を行いました。チーム指導後の初練習試合はシェムリアップ州選抜と行い、4-0で無事勝利。

11人制でサッカーをやった時にしか見ることのできない選手のポテンシャルに気づけたりしたいい機会でした。

文字だけで見れば幸先の良いスタートだと思う人が多いかもしれませんが、自分個人的には全くそんなことなく、ものすごく大変でした。

 

苦労した点

最も苦労している点は、選手とのコミュニケーションの部分です。簡単な事を伝えるだけでも、とても時間がかかってしまいます。なので練習メニューを考える段階である程度クメール語を準備したりしています。でも、急に出てきた新たな課題などがあると、全く伝えることが出来ませんでした。

サポートスタッフとして僕のそばに英語がある程度理解できる用具係のカンボジア人スタッフがいますが、チーム指導当初全くやる気がありませんでした。ボールと水をグラウンドに持ってきた後、どこか遠くに行ってしまい練習が始まって1時間以上帰ってきませんでした。その間の、英語が理解できない子供たちとクメール語後の話せない僕での練習はとても地獄でした。

子供たちもあまり集中力がなく、すぐふざける子供と真面目に練習している子供との間で喧嘩が発生してしまい、練習どころではありませんでした。学級崩壊したクラスの担任の先生って多分こんな感じなんやなと思いながら、絶望しながらその日の練習を何とかこなしました。とにかく自分だけしか日本人がいないので、孤独感が強かったのと、自分ではこの場をどうすることもできない力不足を感じました。

終了の20分前になると、サンダルを履いてアイスキャンディーを食べながらサポートスタッフが戻ってきました。彼の仕事に取り組む姿勢が子供たちに悪影響を与えたり、このまま同じ態度で練習に来られても自分が困ると感じたので、彼に直接めちゃくちゃ怒りました。

自分よりだいぶ年上の人ですが、その時ばかりは本音でブチギレました。僕はまだ21年しか生きてないですが、人生で一番キレた自信があります。僕の下手くそな英語はどこまで伝わったのか分かりませんが、とにかく怒っている事だけは間違いなく伝わったと思います。

次の日も練習があったので、その時に彼にしてほしい事(主に通訳)と大人として子供の手本になってほしい事を伝えました。

するとその日以降から、常に僕のそばにいてくれて通訳の声のトーンも自分に合わせてくれるようになりました。彼のおかげで、間違いなく練習の緊張感とクオリティは上がりました。

また、子供達も何をすればいいのかを理解してくれる人が多くなり、進行がとてもスムーズになりました。

 

自分の気持ちや熱意をしっかりと言葉で伝える事って、とても大切なんだと再認識しました。今までは相手に嫌われたたどうしようとか、自分の考えを伝えることが出来なかったらどうしようとか弱気な事ばかり頭の中にありましたが、そのような事は考えるだけ無駄なんだと気づかされました。

 

課題:基礎技術の低さ・集中力の無さ・IQの低さ

13歳からしか本格的にサッカーを学ぶ環境が整っていない中で、いきなり11人制の試合をしても全く試合になりません。なので、基礎技術から子供たちに教えようと思い、最初の2週間はパス・トラップ・パスした後に動く、という3つにだけ焦点を当てて練習しました。

小学生年代・中学生年代のコーチを日本でしていたので、似たようなトレーニングをもっと簡単にして選手にやらせてみましたが、最初は全くできませんでした。正直、これが出来なかったらこれ以上どんなトレーニングをしても意味がないレベルの初歩的な事を練習に取り入れたつもりでしたが、初めてのトレーニングでは全く出来てませんでした。

子供たちも頑張ってやってくれるんですが、出来ないのでどんどん集中できなくなって、ミスが多発。パス練習だけで負のループに入ってしまい、自分はカンボジアで日本式のトレーニングをしてはいけないと気付きました。

 

「最初は、練習のための練習をしよう」と決め、焦らずに確実に子供たちが出来ることを増やしていこう。これが2月全体を通した練習テーマでした。

やってる内容はほとんど同じだけど、より簡単にしたトレーニングメニューで、さらに子供たちが飽きないように毎回アレンジを加える事を毎回の練習で意識しました。2月はずっと練習メニューを考えてたと言っても過言ではないくらい、アカデミーの事を考えてました。

日本の子供達なら、2~3回やればレベルアップした次のトレーニングメニューを組むことが出来ますが、アカデミーの子供達はなかなかそうはいかないのでものすごく大変です。それでも成長してることは確かなので、基礎技術の部分は怠ることなくトレーニングしていきます。

 

また、競技歴がほとんど無いに等しいのでサッカーIQと呼ばれている考えて動くことがほとんど全員出来ていません。パスをしたら満足して止まってしまう事や、守備の時の立ち位置などめちゃくちゃです。みんなサッカーボールが好きな動物なので、気づいたらサッカーボールばかり見てしまい、他の事はどうでもよくなってしまっています。

この点に関しては、タイガーのトップチームでも同じような傾向がみられる時があるので、アンコールタイガー全体の課題でもあるのだと感じました。育成年代から正しいポジショニングが体に染みつくようにしないといけないと感じたので、3月のテーマはポジショニングにします。

 

 

子供達と触れ合って感じた事

写真はシェムリアップ中心部から1時間ほど離れたところにある村の寺子屋でサッカースクールをしたときのものです。

アカデミーの子供達も、村の子供達を見ていても思いますが、ものすごく純粋で感情に素直な子が多いと感じました。自分の感情が態度や顔に出るのは子供なのでもちろんですが、いちばん素敵だと思った事は楽しいときに心の底から笑ってることです。(自分が勝手にそう思ってしまっているかもしれませんが、、、)

アカデミーの子供達が練習試合に勝った時も、正直言うと相手はそこまで強くありませんでしたがみんなものすごく楽しそうで嬉しそうでした。

村の子供達も、サッカーが上手下手関係なく楽しんでいる姿を見て、すごく良いなと思いました。やっぱりサッカーは楽しくあるべきだと現役を引退したこの年で気づきました。もっと早く気づいてたら、中学・高校と楽しくサッカーできたんじゃないかと少し後悔しています。

(こんな事に気付くようになって、精神年齢がおじさんになったなと思いました。)

楽しさをもっと伝えたい

アカデミーの子供達にはサッカーをもっと楽しんでほしい、何なら全員プロサッカー選手になって欲しい。嘘じゃない本当の気持ちです。その為には、もう少しサッカー上手になってもらわないといけません。

来月も全力で子供達の指導に当たります!出来ることが徐々に増えてきているので、確実に次のステップに進もうとしている段階です。自分が本気でやっていたらその分だけ、自然と子供達も本気でついてきてくれている(と信じてる)ので、3月もひたすらに頑張ります!

長文を最後まで読んでいただきありがとうございました!来月もお楽しみに!

 

 

 

 

 

 

 

この記事が気に入ったら
いいね!

最新情報をお届けします