リーグ戦ではスコアレスドローが続いていたシェムリアップの日系チーム同士の対戦「シェムリアップダービー」。タイガーはソルティーロアンコールを3-0で下し決着をつけた。今節はホームに現在12位のキリボンを迎える。今回は圧倒的なフィジカルでゴールを量産するエースストライカー、FWティモシー選手(@timothylion99)のインタビューとともにキリボン戦をプレビューする。

 

シェムリアップにタイガーあり

特別なダービー、それでも変わらないもの

ダービーマッチは特別だ。ホームとして使っているシェムリアップスタジアムも、今回はアウェーの地。ホームゲームの際にはスタンドの左側で応援するタイガーサポーターだが、今回は右側のスペースに陣取る。どことなくいつもと違う雰囲気がスタジアムに漂う。それでも試合が始まれば、変わらないものがそこにはあった。それは選手たちを支える心強いサポーターの声援と、タイガーの勝利だ。

ティモシー選手は1得点、ラモス選手は2得点と今節の勝利の立役者となった2トップ。今後も得点の量産が期待される。

 

―ダービーは3-0でタイガーが勝利しました。試合を振り返ってください。

「チームワークで勝ち取った勝利だね。」

ティモシー選手の謙虚な言葉の通り、チームは攻守で奮起した。しかし、中でも際立ったのはティモシー選手の3得点全てに関与した圧巻のパフォーマンスだ。タッチライン際でボールを受けると一気に敵陣まで運び先制点の流れを作れば、クロスボールを倒れ込みながらヘディングし2点目をアシスト。そしてカウンターの場面ではダメ押しとなる3点目を自ら決めた。「(引き分け続きの相手に)初勝利したこと、しかも1ゴールだけじゃなくて3ゴールで勝てたことはタイガーにとっても大きいよ。」とストライカーらしい姿勢を見せてくれた。

 

巨体に秘める誠実さ

前半戦も残り3試合、緊迫するリーグ戦

ダービーを制しポリス戦に続き2連勝を達成した上、順位も一つ上がって3位となった。タイガーは2位ナガワールドと1位スヴァイリエンとの差を確実に縮めている。そんな中、今節ホームに迎えるのはキリボンFCだ。前節同じく下位に沈むEDCと対戦し2-1で敗北したキリボンFCは、現在勝ち点9で12位に沈んでいる。しかしタイガーとの通算対戦成績は1勝1敗。油断せずに試合に臨みたい。

インタビュー中真剣な表情で質問に答えるティモシー選手。気さくな一面もあり、ファンからの人気も高い。

 

―キリボンの印象を教えてください。
「全てのチームをリスペクトしているんだ。」

この言葉の前、「決して小さなチームじゃない、良いチームだよ。選手も揃っているしね。でも相手がどんなに強くても必ず僕たちが勝つ。」と話していたティモシー選手の言葉からは油断は一切感じられない。また、「毎試合得点する事に集中してる。一番大切なのは、相手がキリボンでもスヴァイリエンでも、点を獲って試合に勝つこと。」とタイガーが誇るエースとしての自覚を語った。

 

―2試合で4ゴール、そして10節終了時点ではリーグ得点王です。
「だだ得点するだけじゃない、僕のゴールでチームを勝たせる。」

現在3位につけるタイガー。優勝争いに絡めている要因1つには、ティモシー選手が好調であることが大きく関わっている。「最大の武器」と彼自身が認める186cm93kgという強力なフィジカルで相手DFを圧倒し得点を量産中。インタビュー中も「得点王になることはストライカーとしての目標だね。」と野心を滲ませたが、彼のサッカー観は決してエゴイズムに囚われてはいない。「タイガー、自分自身、サポーター、家族…みんなのことが好きで、僕のパワーになっているんだ。」というティモシー選手の言葉からも、彼の誠実さが感じ取れる。

ゴールパフォーマンスのムーンサルトはティモシー選手のトレードマーク。次節も得点を決めたら「絶対にやるよ」と意気込んでいたが、このパフォーマンスも日々の鍛錬の賜物だ。

 

―好調の要因は何でしょうか。
「フィジカルコンディションの維持が僕の強みだね。」

このように答えたティモシー選手の日常生活はかなりストイックだ。インタビュー当日もチームはオフだったが、トレーニングに励んでいたという。それ以外にも食事、睡眠時間などにも気を配っている。全てはフィジカルコンディションをベストな状態に保つためでもあるが、「最高のフィジカルコンディションから、強いメンタルをつくり出せるんだ。」と話すように、ストイックなトレーニングは精神的な強さにも繋がっているようだ。強靱な肉体とメンタルを兼ね備えるエースストライカーは、今節もピッチの上で宙を舞う。

 

 

今節はAHCマッチ!

今節キリボン戦はAHC(Angkor Hospital for Children)の名を冠する「AHCマッチ」です。AHCとは日本人写真家の井津健朗さんによって1999年にシェムリアップで開設された小児病院です。「すべてのカンボジアの子どもたちのヘルスケアを向上させる」というミッションを掲げ、カンボジアの子どもたちの医療を支えています。アンコールタイガーFCは今節のチケット収入の全額をAHCに寄付します。子どもたちに元気と希望を届けるためにも、今節は負けられません!

 

キリボン戦は6月16日(日)、シェムリアップスタジアムで15:30(日本時間17:30)キックオフです!ネットでのライブ配信(こちらから!)もあります!タイガーの詳しい情報はTwitter,Facebookをチェック!

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