7月はサッカークラブにとって「出会いと別れの」季節だろう。何故なら移籍ウィンドウが解禁されるからだ。最後の試合、EDC戦を勝利で飾った小川選手もセレモニーでチームとサポーターに感謝を伝え、新たな挑戦へ旅立った。そして「行く人」もいれば「来る人」もいる。カンボジアとは真反対の極寒の国フィンランドからやって来たスペイン人ボランチ、フェルナンド・コザール・トーレス選手だ。

「新しい発見」求めて

―なぜカンボジアで、アンコールタイガーFCでプレーすることを決めたのですか。

「『新しい発見』を求めて来たんだ。」

「ずっとヨーロッパでプレーしてたから…」との言葉の後にこう続けたトーレス選手。故郷スペインはアンダルシア州でキャリアをスタートし、日本代表の乾貴士選手が所属している名門レアル・ベティスのセカンドチームでもプレーした。その後北欧の国フィンランドへ初の海外移籍に挑戦。ヘルシンキに本拠地を置くクラブにも所属し、対戦経験は無いがかつて別のヘルシンキのクラブで活躍し現在はセレッソ大阪に所属する田中亜土夢選手についても語ってくれた。タイガーに移籍してきた経緯についてはアジアのサッカーに興味を持っていたところ、「スペイン人コーチもいるし、リーグでも良い順位につけているし…クラブの良い話は聞いていたよ。」とトーレス選手の新たな新天地としてぴったりだったようだ。

 

―加入してまだ数日しか経っていませんが、カンボジアはどうですか?

「文化も全く違うけど…今は気に入ってるよ。」

今までヨーロッパでプレーし、ましては極寒の国フィンランドからやって来たトーレス選手にとって、ここカンボジアはまさに別世界だろう。文化、天候、人柄など、あらゆるものがヨーロッパとは全く異なる。しかしキャリアの中で初の海外移籍となったフィンランドでの経験がトーレス選手を支えているのかもしれない。「(フィンランドに来て)最初の頃はスペイン語しか話せなくて、英語が喋れなかったんだよ。」と話したトーレス選手、それでも故郷から離れた異国の地で3年間プレーした実績がある。カンボジアについても「ヨーロッパとは全然違うけど、今は気に入っているよ。」と話し、食事についても問題ない様子。しかし、「交通量は…クレイジーだね。」とバイクが行き交うカンボジアの道路事情はトーレス選手にとって新鮮な光景だったようだ。

現在サガン鳥栖でプレーするFWフェルナンドトーレス選手とはミドルネームが異なる。だが、トーレス選手もベティスのセカンドチームやフィンランドリーグでプレーしてきた実力者だ。

 

―シーズン半ばでの加入となりましたが、意気込みをお願いします。

「チームのためにベストを尽くすよ。」

自身のストロングポイントとしてパス能力を挙げていたトーレス選手。攻撃陣の更なるの活性化にも期待がかかる。チーム内でのコミュニケーションもスペイン語やフィンランドで培った英会話を駆使し、徐々にチームに適応している。そんなトーレス選手にこれから始まる新しい挑戦について意気込みをうかがうと、「まずは一戦一戦を、勝利のためにしっかり戦うことだね。そしてリーグチャンピオンになって、AFCカップに出られたら最高だよ。」と、目標はもちろんリーグ制覇のようだ。彼の「新しい発見」を求める旅は、まだ始まったばかりだ。

 

最高のスタートを切るために

前節EDC戦で3-1の逆転勝利を飾り、リーグ前半戦を3位で折り返したタイガー。リーグチャンピオンを懸けた後半戦の始まりとなる今節、ホームでアーミーFCとの一戦を迎える。トーレス選手がカンボジアでのデビューを果たすのかどうかという意味でも、注目の一戦だ。

前節のEDC戦では先制を許したものの、ティモシー選手(99)の同点弾ととペアヤング選手(10)の逆転弾もあり3-1の逆転勝利、優勝争いに留まった。トーレス選手にも期待がかかる。

 

大混戦を生き残れ

後半戦最初の試合を3位で迎えるタイガーだが、勝ち点5差の間にタイガーを含めた2位から7位の5チームがひしめく大混戦の様相を呈しており、予断を許さない状況が続く。今節の相手はアーミーFC。現在勝ち点23の6位で、リーグ戦5試合の戦績は3勝2敗。そして2連勝で勢いに乗った状態でタイガーとの試合に臨む。さらにタイガーとの直近3試合の通算対戦成績は1勝1分け1敗と互角。アウェーでは1-1の引き分けだっただけに、ここで決着をつけて後半戦のスタートを切りたい。

 

 

アーミー戦は7月6日(土)シェムリアップスタジアムで15:30(日本時間17:30)キックオフです!ネットでのライブ配信(こちらから!)もあります!タイガーの詳しい情報はTwitter,Facebookをチェック!

 

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