こんにちは。
タイガーで長期インターン生として働いている大貫(オオヌキ)です。
この記事では、僕がインターン生にインタビューをして「タイガーのインターンってどんな経験ができるの?」という疑問に答えてもらおう!という記事です。
記念すべき第1回目は岸野拓真(キシノタクマ)!4年生を休学してタイガーにやって来たタクマ。しっかり者で淡々とした性格、仕事ではみんなに指示を出す司令塔的な存在。そんな彼にインターンについて語っていただきました!
小さい頃からボールを蹴り続け大学でも部活でDFとしてプレーするタクマ。そんな彼がサッカーのプレー以外の側面に対する興味を持ったきっかけは、憧れの場所で出会った「ある光景」でした。
大貫
どういう経緯でインターンに参加することになったの?
岸野
ウチの大学は留学する人が多かったし、大学のゼミで社会問題について学んでいてサッカービジネスにも興味を持ち始めていたところで、ちょうどタイガーのインターンを見つけたって感じかな。
大貫
どうしてサッカービジネスに興味を持ったの?
岸野
元々サッカーは小さいころからやってたからプレーするのは好きだったね。プレー以外の部分に興味を持ったのは…マンチェスターユナイテッドが好きなんだけど、オールドトラフォードへ試合を観に行ったのがきっかけかな。選手入場の時に人生で久しぶりに号泣して。(笑)好きなサッカークラブは言わずと知れた世界的な名門マンチェスターユナイテッド。ホームスタジアムのオールドトラフォードは通称「夢の劇場」とも呼ばれています。
大貫
いつもドライなタクマが号泣って…!相当心に刺さったんだね。
岸野
入場の直前になるとアンセムが大音量で流れてきて、その音量に負けないぐらい観客が盛り上がってきて…生まれて初めて見た光景で衝撃だった。それがきっかけで「あの時のオールドトラフォードような光景にもっと立ち会いたい」って思うようになって、サッカーに関わる仕事に興味を持ち始めたね。
様々な仕事において役割分担やスケジュールの管理といった司令塔的な役回りが多かったタクマ。『気苦労絶えない』日々の連続だったようです。
大貫
どんな仕事をやったの?
岸野
色々な仕事のマネジメントは任されることは多かったね。元々要領の良さには自信があって、上司の人たちもそれを見抜いてくれてたのかな。色々やったから全部挙げようとするとキリが無いけど…。強いて言えばハーフタイムイベント、撮影、SNS、フリーチケットの配布とかかな。
―とにかく気苦労が絶えなかった。(笑)
大貫
その中で印象に残った仕事はある?
岸野
印象に残ったっていうより、ホームゲームの週は大変だったかな…とにかく気苦労が絶えなかった。(笑)特にフリーチケット配り。週の初めから週末の試合日直前まで、インターン全員で仕事の合間を使って学校とか大学に配るっていう仕事。どこに何枚配るか余りが出ないように配布スケジュール作成して、人員配置も決めて、それからチケットを印刷所に発注して…。
大貫
準備に時間かかるし、配ってる途中も気が抜けない仕事だよね。
岸野
選手に配布を依頼することもあったけど、上司に相談して、監督から許可貰って、選手にお願いするメッセージを作成したらカンボジア人スタッフにクメール語翻訳をお願いして…お願いするだけでもこれだけのステップを踏まないといけない。雨季になったら配りに行けないし、他のインターンが雨でぬれた道路でスリップしてコケたこともあってスタッフの安全も考えないといけない…もうストレスが凄かったね。(笑)
大貫
ホームゲーム関連以外の仕事はどうだった?交通安全セミナーは0からのマネジメント。セミナーはタイガーのみならずカンボジアスポーツ界にとっても画期的な取り組みでした。
岸野
やっぱり自分で一から進めて選手向けに交通安全セミナーを開催したことかな。前からサッカークラブと社会問題を絡めて何かやりたかったし。
大貫
交通安全の問題は深刻だよね…何回か目の前で事故目撃して怖い思いしたなあ。
岸野
知り合いのカンボジア人も事故に遭ったりしたしね。それで、人づてに交通安全の活動をしている人を紹介してもらって、「メディアとかも手配するから開催してもらえないか」ってお願いして…その後は場所とスケジュールとか、コンテンツも一緒に相談しながら決めて、やっと開催できたね。
大貫
カンボジアのサッカークラブじゃ中々前例がない取り組みだと思うけど、選手の反応はどうだった?
岸野
講師の方がクメール語と英語を織り交ぜて上手に話してくれたから選手も真剣に聞き入ってくれてたよ。しかも外国人選手が俺に「メモするからペンをくれ」って言ってくて、その時は本当に嬉しかった。もちろんカンボジア人選手にとっても為になる内容だったと思う。カンボジアには免許制度無いから交通安全について学ぶ機会も少ないから。制限速度は60kmですよっていう話をした時とか、みんな「60kmなの!?」みたいな感じで驚いてたし。(笑)
大貫
セミナー後の反響はどうだったの?
岸野
セミナー後はヘルメットつけている人が明らかに増えていてびっくりしたね。メディアもカンボジア人スタッフに呼んでもらって、ネットで記事にしてもらったりテレビ局で放映してもらったり…『カンボジアを良い国にする』っていうタイガーの存在意義を示すことが出来たかな。
冷静かつ着実に仕事をこなす姿から一見淡々とした印象を受けるタクマ。しかし、インタビューを続けるうちに予想外の本音や、仕事の結果に対する彼の人一倍強い『情熱』が垣間見えてきました。
―『カンボジア人』っていう外国人と働くことの難しさもめちゃくちゃ実感した。
大貫
マネジメント系の仕事をやってきたわけだけど、大変だったことはあった?
岸野
コミュニケーションかな。ある時フリーチケットと一緒に配るビラのデザインを変更することになって、SNSを使ってデザイン担当のカンボジア人スタッフに英語でお願いしたんだよね。そしたらしばらくして上司に呼ばれて、デザイン担当のスタッフから「タクマは僕の仕事をリスペクトしていない。傷ついた。」って相談を受けんだんだけど、って言われたんだよ。
大貫
え!?普通に英語で頼み事してただけだよね?
岸野
うん。でも、当時は長々としたメッセージを送るよりかは簡潔なメッセージのほうが良いと思ってたんだよね。俺が送ったメッセージは簡潔すぎて、普段の仕事に対する感謝とかデザイン変更の経緯の説明とかが欠けていた。だから、そのスタッフにとっては急にデザインの変更を命令されたように思えて、不愉快に感じたはず。
大貫
同じ日本人と接していると「言わずとも分かってくれる」みたいな部分に頼ることあるからね…。当たり前のように思えて、見落としがちなことかも。
岸野
そう。だからコミュニケーションを取るときはもっと相手の立場を考えながらじゃないといけないってことが分かったよね。それと『カンボジア人』っていう外国人と働くことの難しさもめちゃくちゃ実感した。コミュニケーションってマネジメントで一番重要だから、この経験は仕事に活きたよ。仕事の時の様子とは打って変わって、ゴールが入った時、チームが勝った時、観客が大勢来たとき、感情を一番露わにしていたのはタクマでした。
―仕事は楽しいことばかりじゃなかったからね。
大貫
じゃあ学べたことって何かな?
岸野
『結果に対して淡々と仕事をこなす』っていう自分の中でブレないモノができたかな。どんなにつらいプロセスでも、愚直に結果を出すまでやり切るようになった。ぶっちゃけた話、仕事は楽しいことばかりじゃなかったからね。
大貫
確かに…タクマの仕事は色んなところに気を配らないといけないからね。
岸野
うん。でも仕事の結果として「やって良かったな」って思った仕事は多かったんだよ。一番いい例がホームゲームのときかな。チケット配りとか大変な仕事が多かったけど、少なくとも俺が関わって創り上げた舞台でお客さんが沢山来て楽しそうにしているのを見ると、「頑張ってきてよかった…!」て思ったよ。普段はドライな姿勢で淡々と仕事に取り組んでいたけど、試合に懸けてた想いなら誰にも負けてなかったと思う。8月のスヴァイリエン戦は今シーズン3番目となる4040人の観客動員を記録。首位のチーム相手に肉薄し、とくに同点弾後のスタジアムの盛り上がりは今シーズン1番でした。
大貫
普段は冷静だけど、タクマは結果に対して一番『熱』を向けていたんだね。
岸野
だから8月に当時無敗だったスヴァイリエンとのホームゲームがあったけど、カンボジア人にも外国人にも沢山来てもらって、1点ビハインドから追いついたときとかはもう…尋常じゃないくらい盛り上がった。あの時のオールドトラフォードに近い光景だったね。このインターンで1番印象に残ってる試合かな。
結果に対してこだわる姿勢を貫いた結果、シェムリアップの地でオールドトラフォードの光景を実現させたタクマ。彼がその先に見据えるモノはインターンを終えた後でも変わっていませんでした。
大貫
じゃあ、タクマはこのインターンの経験をどう活かしていくの?
岸野
大きな目標でいうと、海外でサッカーに関わる仕事をしたいって考えている。その為には今、スポーツ界で求められている人材を知る必要があるから、日本に帰った後もスポーツと人材に関わるインターンをすることが決まってるよ。サッカークラブでマネジメントの経験がある学生なんて日本でそうそういないだろうから、タイガーの経験の中で今後に活かせるもの絶対はあると思う。
大貫
海外でサッカーに関わる仕事…やっぱりタクマの中ではオールドトラフォードでの経験がずっと心の中にあるんだね。
岸野
やっぱり自分の人生の転機になったし、あの時のような光景を、タイガーのインターンで自分自身で創り上げた経験は自信になったね。
―『創ったのは最高の週末だ』かな。
大貫
これまで一通りインターンについて振り返ってもらったけど、タクマのインターンを一言で表すとどうかな?
岸野
うーん…『創ったのは最高の週末だ』かな。
大貫
ほうほう、その心は?
岸野
一概にこのインターンは「楽しかった!」とは言えない、でも見えたものは良かったよねっていう話。毎週末はすっごく楽しかったな。学べたものは大きかったよ。
全体をマネジメントする仕事のため「気苦労が絶えなかった」と何度も口にしていたタクマ。そんな日々の中で彼は…
・コミュニケーションの難しさ思わぬ形で知り
・ハードな日々の中で『結果に対して淡々と仕事をこなす』ことの大切さを知り
・思い描く『結果』のために奮闘した
これからもタクマは「夢の劇場」で出会った光景に向かって、ブレずに泥臭く道を進んでいくことでしょう
Vamos!タクマ!!
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