※この記事は夏季オンラインインターンシップの参加者によって書かれた記事になります。

自分の道は自分で決める、環境に左右されない変わらぬ向上心

スポーツ界は非常に厳しい世界であり日本でも人気のスポーツ「サッカー」もその一つである。平均寿命(在籍年数)「2~3年」、平均引退年齢「25歳~26歳」という数字を聞いてほとんどの人が予想より短いと感じるのではないだろうか。引退後多くの選手がサッカーとは別のセカンドキャリアを歩んでいく一方で、中には決して恵まれた環境とは言えない異国の地でキャリアを続ける選手もいる。カンボジア1部リーグに所属するアンコールタイガーFCに2021年に加入した内田昂輔選手もそのひとりだ。今回の内田選手へのインタビューを通じて、サッカーに限らず自分の道を切り開いていく姿、思いを読者自身と照らし合わせて何かを感じ取って頂ければ幸いだ。

異国への挑戦、その国をリスペクト

内田選手は高校サッカー常連校の滝川第二高校を卒業後、立命館大学を経て大分トリニータでキャリアを開始した。怪我の影響もあり2年で大分との契約満了となりその後FC琉球でプレーし、モンテネグロ、オーストリア、ラオスなど決してサッカー先進国とは言えない地でキャリアを続けている異色の選手だ。そうした地でプレーすることに多くの人は疑問や不安を感じるかもしれないが内田選手は違う。モンテネグロへ移籍することに対して「不安は全くなかったです、楽しみでしかなかったです(笑)。日本から10人くらいまとめてテストを受けに行きましたけど本当は全然一人で受けに行きたかったくらいでした(笑)」と笑顔で語って頂いた。特に印象的であったのは決して自分がその国のレベルなら活躍できるかなという浅はかな理由で各国を転々としているわけではないという事である。「初めて外国に行く人たちは日本ではちょっと厳しいから東南アジアに行こうかっていうような人も結構多いですけど、それでは多分活躍できないかなっていうのは自分の中にあります。自分がその地でもっと成長したいなど、積極的な気持ちがないとやっていけないしその国の人にも受け入れられないと、自分の経験から強く感じます」という。選手自身の思いや移籍に至るまでの背景がメディアに露出する機会は少なく、サッカー後進国へ移籍することは周囲の人にとっては活躍できないから仕方なくその国へ行くのだと思いがちである。なぜその地に行くのか、その国で選手として生きていく覚悟、そのうえでその状況を楽しむ、国の文化や人々をリスペクトする心、そうした選手自身の思いをインタビューを通じて発信し、サッカーに携わってこなかった人々にもキャリアを形成する一つの考え方にして頂ければ幸いである。

インタビュー・文=法政大学国際文化学部 野本 直貴
写真= Angkor Tiger FC

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