みなさんこんにちは!アンコールタイガーFCインターンの坂本秀です。
今回は、僕の最後の体験記になります。これまで関わって頂いた多くの方々に感謝の気持ちも述べたいし、学んだこともたくさん書きたいですが、長すぎてしまうとまとまりが無くなってしまうので、程よい分量で納められるように頑張って書きます。最後まで見てください!
特に、ラストは8か月の自分の活動の足跡をたどっていきます。「どんな思いで何の活動をしたのか」について書いていこうと思うので、今後のインターン希望の人の参考になれば幸いです!
人生で最も濃く刺激的だった8か月
8か月前にカンボジアに初めて到着し、そこから毎月の自分自身の振り返りとして、インターンの内容を記事にして書かせていただきましたが、僕のインターン期間もついに終了してしまいました。
カンボジアに着いた時はちょうど雨季の終わりかけで、夕方になるとスコールに襲われ、ずぶ濡れになり、よくバイクが故障し、自分にできる事も何か分からず、日本の環境と違いすぎて正直辛かったです。初めてホームシックとやらを体感し、なかなか自分らしくない一面も知る事が出来ました。
英語も話せないし、クメール語も話せないし、友達もいないし、、、自分の周りの環境に対して不満を抱くだけで何も行動を起こそうとしない自分がすごく嫌いになった時期もありました。
そんな中で、こうたさん(監督)をはじめとするシェムリアップに住む日本人の方々がとても気さくに接してくれたり、何度もご飯や遊びに連れて行ったりしてくれました。
本当にうれしかったし、多くの経験を積ませていただいたことに感謝しかありません。帰国して少し経ちましたが、異国の地でチャレンジすることがどれだけ大変な事であるのかは、今なら本当の意味で理解できます。
僕に関わって頂いたすべての日本人の方は素敵な人で、尊敬していますし僕もいずれこのような人達のように素敵な人間になりたいと思うようになりました。
いつ恩返しできるかわかりませんが、必ず恩返しします。またシェムリアップに行くので、その時まで忘れないでください!
これから僕は、お世話になったみなさんが、自慢できるくらいのビックな人間に成長することが目標です!まだまだ応援していてください!
改めて、本当に8か月多大なサポートをありがとうございました!
8か月何をしたのか
少し主語が大きくなりすぎかもしれませんが、僕はこの8か月間「カンボジアサッカー界に貢献する」事を最優先に活動を続けてきました。これを僕の活動の軸に定め、多少レベルの高い事でも挑戦し続けようと心の中で決め、全力で駆け抜けました。
まずシェムリアップについた時は、自分に何が出来るのかを探す前に、プロサッカークラブとはどのようなものかを知りたいと思っていたので、現場の最前線に立たせていただきました。
これまで自分は本格的なサッカー経験があったので、その経験を活かしながらチームに参加させていただき、たまに練習なども一緒にしてカンボジア人選手の課題や修正点を探す貴重な機会になりました。
練習から公式戦まですべての活動に参加し、カンボジア全体のサッカーレベル感を知れるきっかけになったし、サッカー歴史の浅いカンボジア人特有の課題などを見つけることができ、以降のアカデミー活動に非常に活きた経験となりました。
Topチームに帯同出来たおかげて、自分がカンボジアサッカーのために貢献できることは「子供たちの育成」という事に気づくことが出来ました。
ある程度生活にも慣れ、落ち着いてきた12月ごろから、本格的にアンコールタイガーFCの下部組織の育成に携わろうと思い、中高生年代の練習にも行くようになりました。
アンコールタイガーはカンボジアの中でも地方のクラブなので、地元出身のプロ選手が輩出されると必全的にその選手のファンが多くなります。また、優秀なプロ選手を自チームの下部組織で育てることが出来れば、即戦力としてプロの世界で結果を残しチームを勝利に導くことが出来ると考えたので、この年代の指導者をしたいと考えるようになりました。
しかし、カンボジアのユース世代の公式戦がちょうど1年間開催されなかった影響で、試合の機会が激減し、選手も練習に全く来ず、13歳から19歳までが1つのチームで練習している現状でした。
そんな環境では、いつまでたっても優秀な選手は育たないし、子供たちは上手になれないからサッカー選手になることを諦めてしまうと考えました。この時、自分がこの現状を変えなきゃいけないという強い使命感に駆られたことは今でも覚えています。
きっとこの時、自分は日本という恵まれた環境で育ちながらプロサッカー選手になることを簡単に諦めてしまった事に対する、不完全燃焼な気持ちがあって、カンボジアの子供達にも自分のように大人になって後悔してほしくないという気持ちがあったんだと思います。
12月から、自分のエゴな気持ちから始まったアカデミーチームの、ほぼ0からの再編成と中学生年代のチームマネジメントは自分のインターン人生の中で1番大きな出来事です。
2024年に入り、いよいよ自分のチームを作りました。
簡単に1文で言いましたが、チームが出来るまでに本当に苦労しました。その点はインターン体験記の1月号に詳しく記載しているのでそちらを見ていただけたら嬉しいです!(1月編はこちら)
Topチームの現場を見ていたことで感じた課題などを改善できると考え、よりよいプロ選手を育成しようと意気込んでチームを始動させました。練習の指導スケジュールなどを大まかに決め、ひとりでも多くの選手が練習に来られるように練習時間の改善なども行いました。
しかし1月は、(22年しか今まで人生を生きてませんが、その中でも間違いなく)1番大きな壁にぶち当たった時期でもあります。
日本での中学生年代が卒なくこなすトレーニングはまず一切できません。小学校にサッカーを習うという文化が根付いておらず、ルールも知らないし独学でサッカーをしてきたんだという野性味あふれる子供がほとんどでした。
チームだけではなくサッカーに関することを0から教えようとしました。でも次は、言語の壁にぶち当たりました。
ただでさえ、子供は0からサッカーを習って頭がパンク寸前なのに、僕に英語で話されて言ってることが理解できない。といったカオスな状況でした。
このままではいけないと感じ、焦っていました。正直1月は忙しくて自分も余裕が無かったので、何度も「何でこんなしんどいことに挑戦したんやろ、もうチーム作ってもうたし、引くに引けへんやん(泣)」みたいなメンタルでした。
2月と3月は、チームをまず組織としてしっかり形にする事を意識し、練習の質を上げるための練習や子供達のストロングポイントを理解する段階から徐々にレベルアップしていきました。
サッカーを続けるうえで一番大切なのは、サッカーを楽しむことだと僕は思っているので、子供たちにサッカーの面白さを伝える意図のある練習なども取り入れたりしました。
でも、現場で働いている日本人は自分一人だったし、頑張らないといけないと根詰めすぎて、周囲の人々に上手に頼ることが出来ませんでした。一緒に働いていて、感覚が全く違うと感じたし、コミュニケーションの問題もあり自分の思うようにいかない事が多々ありました。
今まで自分が主体で働いたことなんかなかったし、子供たちの将来も背負うような責任のある役職も初めてだったので毎日失敗しない事だけを考えて保守的になってしまっていました。
自分が1番サッカーを楽しめてない事に気づき、このままではだめだと気付いてからは、まず熱心にクメール語を覚える事から始めました。練習の準備段階でもクメール語を勉強したりして、実際の練習で下手くそなクメール語を披露してました。
最初はよく子供に笑われたり、厳しい訂正を喰らいましたが、次第に子供達も自分の本気度に気づきよく話を聞いてくれたり、英語や日本語を勉強してくれるようになりました。
他人を動かすのは自分の行動を変えてからなんだと理解することが出来たし、この2か月で本当にタフになれたと思います。
4月に入り、本格的にユース年代の公式戦が始動する段階になりました。カンボジア全土の中から10チームだけが参加するユース年代の全国大会(リーグ戦)に参加することが決まりました。
チームを作って5か月ちょっとのチームが全国大会に出る。といった日本では絶対にありえないストーリーですが、僕はそれを経験しました。日本に帰ってから落ち着いて振り返ってみると、このエピソードがダントツで面白いと思います。
シェムリアップにいるときはあまり実感がわきませんでしたが、普通にあり得なさ過ぎませんか?そんなことが起きてしまうカンボジアは本当に面白い国だなと思いました。
本当は全ての試合に勝ちたかったですが、現実問題はそう甘くなく、やはりほかのチームに負けてしまう事がほとんどでした。
ですが現在もリーグ戦は続いているので、ヤングタイガーたちは日々奮闘しています。
僕が帰国する前の最後の公式戦で、惜しくも負けてしまいましたが、チーム大会初ゴール(先制点)をあげたときは本気で嬉しかったです。泣きそうになりました。
僕が子供たちに何を残せたのかは今はまだわかりませんが、将来大きくなった時にサッカーを通じて得たものを活かしてほしいです。また僕は子供達から教えてもらった事がたくさんあります。
すごく素直なので感情を表にすぐ出すし、わがままな子が多いけど最終的にはみんな僕の事をリスペクトしてくれました。外国人である僕を慕ってくれて、時にはブチギレしたりしましたが、それでも最後までついてきてくれました。
本当にサッカーが好きなんだろうし、その気持ちをずっと持っていてほしいです。あわよくば、プロになって活躍してほしいです!
学んだこと
この8か月間しんどい事も楽しい事もありましたが、日本を出て貴重な経験が出来て本当に良かったと思っています。
フロント業務も現場業務も経験し、たくさんの視点から一つの目標に向かう大変さを学び、生活圏の違いからくる文化の違いも体感しました。異国の地で働く事は簡単ではないし、相手の事を理解することが仕事をして生きていくうえで最も大切だとわかりました。
そして、たくさんの責任ある仕事を任されたことで、何よりも人間的に成長できました。
どのエピソードも日本では絶対に経験できないし、世界のだれを見ても自分だけの最強に面白いエピソードだと胸を張って言うことが出来ます。
坂本秀だからできる事とアンコールタイガーのインターンだからこそできることを、最大限やったような気がします。
僕は現場系の仕事をしたかったので、このような体育会系のインターンになりましたが、他にもフロント系業務でカンボジアに貢献できることは無限にあると思います。サッカー発展途上国の最大のいいところで、気持ちさえあれば活躍することはできます!
長期インターンは職務内容関係なく、年がら年中募集していますので、ぜひ気になった方はご連絡お願いします!(お問い合わせ先はこちら)
次回からの長期インターン体験記は新しくインターンにやってきた金子君(写真左)にやってもらうので、もしよければチェックお願いします!
改めまして、カンボジアで関わって頂いた皆様、こんな僕の事を支えていただき本当にありがとうございました。感謝してもしきれない気持ちでいっぱいです。この8か月で得た貴重な経験を無駄にせずこれからもっと頑張っていきます!
またシェムリアップに行くときは連絡させていただきますので、遊んでください!
本当に楽しくて最高の8か月でした!シェムリアップが大好きです!
アンコールタイガーFC長期インターン(2023年10月~2024年6月) 坂本秀
過去のインターン体験記はこちらから!
①初めまして編:長期インターン体験記:坂本秀~はじめまして編~ | Angkor Tiger FC Official Website
②10月編:長期インターン体験記:坂本秀~10月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
③11月編:長期インターン体験記:坂本秀~11月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
④12月編:長期インターン体験記:坂本秀~12月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
⑤2024年1月編:長期インターン体験記:坂本秀~1月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
⑥2月編:長期インターン体験記:坂本秀~2月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
⑦3月編:長期インターン体験記:坂本秀~3月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
⑧4月編:長期インターン体験記:坂本秀~4月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
⑨5月編:長期インターン体験記:坂本秀~5月編~ | Angkor Tiger FC Official Website
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