リーグ初制覇を目指す後半戦が始まった。相手は開幕戦で引き分けたアーミーFC。先制したものの同点にされるという展開の中、さらに2点を加えてタイガーが3-1で勝利した。今回はGKコーチとU-18チームのコーチを兼任するスペイン人のジョルディコーチのインタビューとともにコンポンチャム戦をプレビューする。
「ひと味違う」強さ見せた
強豪を突き放す力
「今年のタイガーはひと味違う」この言葉をを証明した試合だった。相手は昨シーズンから未だ勝利を挙げたことがなく、開幕戦でも対戦したが引き分けに終わった強豪アーミーFC。後半、一気に試合が動いた。コーナーキックから林選手のヘディングシュートで先制したが、アーミーも同点弾を決め応戦。しかし、相手の勢いに押されることなくここから「強さ」を見せたタイガー。ラモス選手がPKを決め切ると、トップスコアラーのティモシー選手がエンドライン際の難しい角度からのシュートを決めダメ押し。相手を突き放したタイガーが強豪から勝ち点3をもぎ取った。
強豪相手にもタフに戦い勝利を収めたタイガー。今後の自信にも繋がる勝ち点3だろう。
―強豪アーミー相手に3-1で勝利しました。
「誇れる勝利だね。」
「開幕戦は多くの得点のチャンスがあったのに決められず、勝ちきれなかった。でも今回は3ゴールを決めて勝てた。つまり開幕戦のミスを修正できたってことだよね。」今までの反省を活かせたからこその勝利だと強調していたジョルディーコーチ。「ミスから成長出来ていることは誇るべきこと。とても重要なんだ。」とチームの成長を実感しているようだ。また、新加入のスペイン人ボランチ、ナンド選手も終盤までプレー。この試合がデビュー戦となったが鋭いスルーパスを披露するなど随所で輝きを見せた。
求められるクリーンシート
今週の水曜日に行なわれたフンセンカップでもEDCを破りベスト8進出を決めたタイガー。今節は勝ち点わずかに3で最下位に沈むコンポンチャムFCをホームに迎える。現在コンポンチャムFCは失点134、得点6点でいずれもリーグワースト。加えて前半戦ではアウェーで11-0で快勝しているチームだけに、得点だけではなくクリーンシートもしっかり意識したい。そのためにはGK陣の活躍は欠かせないだろう。そして、ゴールマウスを守る彼らを日々鍛えているのがジョルディコーチだ。
担うはゴールマウスとタイガーの未来
―今シーズンのGK陣のパフォーマンスについてどう考えていますか?
「3人を誇りに思うよ。」
普段は陽気な一面を覗かせるが、ひとたびキーパー練習となるとピッチ中に気迫のこもった声を響かせてコーチングする。そんなジョルディコーチのもとシマイ選手を含めた3人のGKが日々練習している。「3人それぞれに良いところがあるんだ。」語るジョルディコーチだが、中でもチーム最年長でキャプテンを務めるシマイ選手に対する信頼は絶大だ。コミュニケーションではジョルディコーチの考えをシマイ選手を通して他の選手に伝えることが多く、いわばパイプ役になっているという。また「シマイの様な経験豊富なベテランが活躍しているのは嬉しいよ。それに彼は学ぶこと、成長することを止めないんだ。」とキャプテンに対するリスペクトを語ってくれた。今シーズンはシマイ選手をはじめとしたGK陣の活躍もあり、総失点は14(14節終了時点)とリーグで3番目の少なさ。ジョルディコーチは「チームとして戦った結果」としながらも「それでも順位は3位。課題に取り組んで、ナンバーワンを目指さないとね。」と決意を口にした。
試合前のキーパー練習でパスを出すジョルディコーチ。練習中と普段の雰囲気はまさに別人だ。
―なぜカンボジア、そしてアンコールタイガーでコーチをやろうと決めたのですか?
「監督に誘われたんだよ。」
質問するなり笑いながら答えてくれたジョルディコーチ。彼は現在のタイガーの監督で同じスペイン人のオリオル監督に呼ばれてタイガーに加入したのだ。元々はUEFAライセンスを取得するために通っていたアカデミーで知り合った間柄で、連絡を取り合っているうちにタイガーの監督に就任したオリオル監督がジョルディーコーチをタイガーに勧誘した。「少し考えさせてくれと」と言うジョルディをオリオル監督は「心配するなよ」と説得、そしてGKコーチとしてタイガーにやって来たのである。
小規模からのスタートだが、このユースチームがこれからのタイガーの歴史を創る選手を育てていく。
―今シーズン新たに始動したユースチーム(U-18)のコーチにも就任しました。
「ユース世代の育成は100%必要。」
アンコールタイガーFCのユースチーム(U-18)が遂に今シーズン始動した。チームにはチーム最年少の15歳、FWデイビッド選手も参加しており将来タイガーで活躍する人材の育成に期待がかかる。ジョルディコーチはこのユースチームのコーチも兼任している。「リーグで活躍する選手は勝手に現れたりしない。子ども達をサッカー選手として、そして一人間としてしっかり育て上げることとで初めて選手としての価値がついてくるんだ。」と育成論を語るジョルディコーチ。一方で育成環境が整ったヨーロッパとは違い、ユースチームに入るまで十分なサッカーの指導を受けることが出来なかった子どもたちがいる現実をカンボジアでの育成の難しさとして挙げていた。それでも、「(ユースチームを経た)選手達がカンボジアリーグ…そしてタイガーの将来を担っていくんだよ。」とユースチームの可能性を語ってくれた。
コンポンチャム戦は7月14日(日)シェムリアップスタジアムで15:30(日本時間17:30)キックオフです!ネットでのライブ配信(こちらから!)もあります!タイガーの詳しい情報はTwitter,Facebookをチェック!
RECOMMEND
この記事が気に入ったら
いいね!
最新情報をお届けします